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先日、私の故郷・宇目町で山師(やまし)をしている武田さんから「山を見に来ませんか?」と声をかけられました。

山師とは、木の植え付けや伐採などをする林業の職人のことです。

仕事の内容は大まかに、山の整地・地ごしらえ→苗木の植え付け→下刈り→除伐→枝打ち→間伐→伐採→搬出、そしてまた整地というサイクルなのですが、長い長い年月のかかる作業です。

一般的に、植え付けから伐採するまでは、最低40年以上はかかるといわれています。

ある山師さんが、学校を卒業して運良く山の整地が始められたとしても、搬出まで一代でできるかどうかといった、膨大な時間が必要となってきます。

武田さんに連れて行ってもらった山は、近々間伐をする予定だそうです。

この山の木を搬出するのは、武田さんではなく次の世代の山師さんかも知れません。

それが製材され、柱として使うのは私ではなく次の世代の工務店かも知れません。

山師の仕事は頭では解かっていたつもりでしたが、実際に山に入り、現場を見て、歩いてみると、その長く大きなサイクルについて改めて考えさせられました。

私たちが普段扱う木材は、そういった自然の循環から生み出された成果物です。

今日私が手にとった柱は、武田さんのような山師さんが何十年も前から地道に山の手入れをし、伐採・搬出され、製材されたものです。

「大事に使わなくちゃ!」という思いを強くしたのと同時に、この長く大きな循環の物語をお客様と共感したいとも思いました。

こういうことを伝えるのも、木の家づくりをする工務店の役目のひとつだと思います。

  

 これから間伐する予定の山です。

 

 

数年前に間伐を終えた山です。

陽が射しこみ下草が繁っています。こうなると腐養土が蓄えられ低木類が根を張り、土砂災害などの防止にもなるそうです。 

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